シンガポール発!わずか45秒・350円でオレンジ約4個分のフレッシュジュースが飲めるAI自販機《IJOOZ(アイジュース)》

2023年4月に上陸して以来、ここ1~2年で日本国内でも急速に設置台数が増えてきた《IJOOZ》。その数は2025年9月現在で、なんと約1750台以上で関東・関西・東海・中国・九州とどんどんエリアを拡大しています。この自販機は、ただのフレッシュジュースが味わえる自販機ではなく、なんとAIと自販機が融合したAI自販機なんです。

本記事では、次世代型AI自販機《IJOOZ》のその仕組みについてご紹介します。

引用:IJOOZ

IJOOZ(アイジュース)は、シンガポール発のIoTテクノロジー企業が開発・運営を行っています。IJOOZは「テクノロジーを活用して新鮮な食材と人々を繋ぐ」を使命として、生搾りオレンジジュース自動販売機IJOOZをはじめ、スマートパントリーを運営するなど食と人をIoTを通じて繋げる活動を行っている会社です。

創業者のブルース・チャン氏が、大好きなオレンジジュースを手軽に低価格で楽しめる方法を模索していたと同時に、彼の息子に新鮮なオレンジジュースを飲ませることに苦労していたことから、自販機での販売にたどり着いたと語っています。(参照:ソトコト)また、同記事の中で彼は、IJOOZが支持されているのには以下のような3つの理由があるとも語っています。

  • 目の前でジュースが搾られる“ジュース工場”のような販売機が目新しく、『面白い。買ってみよう!』という気持ちになること
  • 生搾りのジュースはとても健康的であること
  • 1杯約280mlで350円という価格が競合と比べても魅力的であること

主にオーストラリアやアメリカから輸入されるバレンシアとネヴァの2種類のオレンジを使用。新鮮なオレンジジュースというこだわりから、新鮮なオレンジを新鮮なうちに早く消費できるよう、設置場所にはショッピングモールや駐車場など、人がたくさん集まる場所を選ぶことで常に新鮮なオレンジが自販機に入っているようにしています。では、どのような仕組みで常に新鮮なオレンジが補充できているのでしょうか。

IJOOZには独自のクラウドがありIJOOZ スマートソフトウェアを活用することで、オペレーション管理を行っています。

まずは、各自販機にSIMカードが搭載され、オレンジやカップ、ストローの残数はもちろん、温度、故障状況などのデータが各エリアのオペレーターにリアルタイムで共有されています。また、AIが在庫状況や販売データを分析し、補充やメンテナンスの最適なタイミングを予測します。これにより、担当ドライバーはオレンジやカップの補充、搾汁ユニットの交換、故障対応などを効率的に実施でき、売り切れによる販売機会の損失を最小限に抑えた運営が可能となっています。

シンガポール国内では、10名のオペレーションスタッフが500台以上の自動販売機を管理しており、AIによる効率化の効果として、オレンジの無駄な廃棄を従来比で約10%削減する成果を上げています。自販機自体の管理のみではなく、ドライバーが実際にどの現場に到着して自販機の操作をしているかなども全て把握できるようになっており、このような全体のデータ収集を行うことでより良いサービスを提供でき、今後のサービスの向上にもつながるとブルース・チャン氏は語っています。

健康への意識が高い方や子供連れなどに人気があり、なおかつ廃棄を少なく効率よく稼働するといった仕組みは健康と環境に配慮したものとなっています。直接的に運営を行うことで自販機やオレンジの手配の流れなど全体を把握することで、消費者にとって最適な価格でよい商品を提供できています。

また、シンガポール国内ではジュースを搾った後に残るオレンジの皮をジャムやタルトの材料として再利用するなど、より環境に配慮した取り組みを行っています。日本でも同様の取り組みを検討しており、オレンジの皮を農業や畜産、香料・香水製造などに活用する可能性を探っているとのこと。

さらに、日本での地域貢献の一環として、日本国内では複数の工場設立を計画しており、各地域での雇用創出を目指しています。現在、実際に埼玉県川越市の倉庫にて、オレンジの洗浄などの作業を地域の方々に依頼することで、地元雇用を生み出しており、今後は障害のある方々の雇用機会の創出も検討しているとのことです。

AIを活用した新しい自販機のかたちは、環境にも人にもやさしい、持続可能な仕組みへと進化していきそうです。

コメント

コメントする

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

目次