「AI橋田壽賀子」プロジェクト:ABEJA×KDDIが共同で「令和版 渡る世間は鬼ばかり」を制作

2024年より一般財団法人 橋田文化財団が推進する「AI橋田壽賀子」プロジェクトというものが開始されました。株式会社ABEJAがABEJA Platformに搭載されている「ABEJA LLM Series」を利活用し、過去の脚本から「渡る世間は鬼ばかり」を令和バージョンで再現した脚本の制作に協力することで、令和の時代にAIを使って新たな「渡る世間は鬼ばかり」を制作するというものです。

2025年5月11日に橋田壽賀子氏の生誕100周年として「AI橋田壽賀子企画 渡る世間は鬼ばかり 番外編」がBS-TBSにて放映され、同年10月28日、ABEJAの公式サイトにてその第二弾の製作が決まったとの公表がありました。

この記事では、AI技術を使い今は亡き橋田寿賀子さんの作品を今の時代に蘇らせるプロジェクトについてご紹介します。

引用:ABEJA
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ABEJA
ABEJAは2012年に設立された会社で「ゆたかな世界を、実装する」を経営理念に掲げ、デジタルプラットフォーム事業などを展開しています。2018年からLLMの研究開発に取り組んでおり、「ABEJA Platform」というAIプラットフォーム(PaaS)を提供しています。既に 300社以上 の企業にDX支援として導入されている実績を持った会社でもあります。

引用:ABEJA

また、AI技術を用いたサービスそのものだけではなく、それを利用する人の育成などへの支援サービスも行っています。AIを導入するにあたり、既存の人材にAIをうまく利用してもらうには実績のある企業にAIリテラシーなどの教育をサポートしてもらうのもAIを導入するうえで大事なポイントになるでしょう。

【提供しているサービス】
◎AIガバナンス構築支援サービス:AI倫理のためのガバナンスの構築を支援
◎AIシステム倫理アセスメント支援サービス:個別のAIシステムを対象に、倫理的課題の発見・深堀・対応策の検討を支援
◎DX人材育成支援:ABEJA Platformを基幹にして、人材育成から業務フローへの組み込みまでを支援するサービス

▣KDDI
KDDIはauブランドで知られる日本の大手通信会社です。全国的な通信インフラに特化しており、通信を軸に生活サービス全部をつなげている会社です。通信分野にとどまらず、金融や電力、EC、コンテンツ配信、さらに法人向けのクラウドやDX支援など、多岐にわたる事業を展開しています。また、アジアを中心に海外展開もしており、「通信+α」に積極的な企業として知られています。

引用:KDDI

「AI橋田壽賀子」プロジェクト

一般財団法人 橋田文化財団が推進する「AI橋田壽賀子」プロジェクトと日本有数の通信大手企業であるKDDI、実績あるスタートアップ企業ABEJAによる今回の試みには、一体どのような狙いがあるのでしょうか。一般財団法人 橋田文化財団の公式サイトでは「AI橋田壽賀子プロジェクトの秘密」として以下のように語られています。

「もし今も橋田壽賀子が生きていたら、現代の家族をどう描くだろうか?」
2024年、橋田文化財団はこの問いを発端に、AIを使って橋田壽賀子の脚本を蘇らせるという画期的なプロジェクトを始動させた。プロジェクトのリーダー、株式会社ABEJAの阪口創氏はAIに脚本を執筆させる難しさを中央大学FLPメディア・ジャーナリズムプログラム山崎ゼミAI特別講義にて語っている。「橋田壽賀子らしさとは何かをAIに理解させる困難など次々と課題が明らかに。著作権問題はクリアできるのか。橋田流のキャラクターバトルの再現なるか?」これらの課題を乗り越えて、2025年5月11日にBS-TBSで『渡る世間は鬼ばかり 番外編』としてオンエアされた。(参照:一般財団法人 橋田文化財団公式サイト)

また、ABEJAの公式サイトでも以下のように発表されています。(以下、ABEJA公式サイトより引用)
プロジェクトの目的
現在、AIを用いた制作においては、著作権侵害や人格権の脅威などが懸念され、議論が活発化しています。ABEJAは、議論が活発化する以前である2019年より、AIに関する課題について外部の有識者が倫理、法務的観点から討議する委員会「Ethical Approach to AI」(EAA)を設立し、客観性、独立性を担保した意見や知見を鑑みつつ、各課題に対応しております。また2022年より、顧客企業や取引先と意識を合わせAI倫理上の課題に対応することを目的として、AIの開発や利用に関する指針となるAIポリシーを自社で策定し運用を進めてまいりました。ABEJAは、「AI橋田壽賀子」プロジェクトは、AI倫理に関する先駆的な事例となる意義の高い取り組みであると考え、2024年秋に発表された第一弾より参画しております。

本プロジェクトは、単なるAI技術の応用ではありません。「橋田壽賀子の着眼点を現代にどう生かすか」という文化的な挑戦をテーマに、AIと人が協働しながら現代社会や家族の姿を描きます。AIは脚本家の“発想の壁打ち相手”として機能し、人間の創造性を拡張する新しい創作スタイルを形成します。

これらの課題を解決しながら脚本完成後、KDDIがショートコンテンツを開発し、スマートフォン視聴に最適化された形でコンテンツを提供されていくという流れになっています。

まとめ

このプロジェクトは、単なるエンタメ企画にとどまらず、AIと人がどのように協働できるのかを探る“未来に向けた実証的取り組み”として位置づけられています。すでに第二弾が公開されているということで、今後、段階を経てアップデートされていくAIとして現代によみがえる橋田壽賀子のこれからの作品が楽しみです。

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