AI時代の地図Google Earth AIとAlphaEarth Foundations:世界をより詳細に把握する地理空間AI

2025年7月、Googleは「仮想衛星」のように機能するAIシステムを発表しました。この新たなシステムの開発は、地球の陸地と沿岸海域の正確な特徴を明らかにすることができるものになっていくと考えられています。

この記事では、新たに発表されたGoogle Earth AIとAlphaEarth Foundationsについて紹介していきます。

2025年7月、Googleから地理空間をこれまで以上に詳細に測定する地理空間AIのGoogle Earth AI仮想衛星のように機能する人工知能(AI)モデルのAlphaEarth Foundationsが発表されました。

引用:Google

Google Earth AIはGoogle Earthに生成AI(Geminiなど)と地球観測AI技術を統合したもので、地球の状況把握や環境解析のために開発された新しいプラットフォームです。

複数の地域に対応するモデルを搭載しており、検索や地図の中に「洪水」や「山火事」などの災害アラート機能を組み込んでいます。衛星データ・気象情報・AI解析を統合することでそれらの機能が利用できるようになっています。洪水アラートに関しては、AIが地形・降雨量・河川流量データなどを解析し、洪水が発生しそうな地域を予測。Maps上で危険エリアが色分け表示され、避難経路や安全なルートがリアルタイムで確認できます。また、山火事アラートでは、衛星画像をもとにAIが火災の位置や広がりを検出し、検索結果やマップ上に警告を表示。火災の進行状況や避難情報を、ユーザーが現地にいなくても把握できるようになっています。この他にも、人口動態、
都市交通に関する情報などを分析し、都市計画や公衆衛生の向上にも活用されています。

AlphaEarth FoundationsはGoogle Earth AIの一部で、Google DeepMindとGoogle Earth Engineらによって開発された最先端の地球観測用AIモデルです。

仮想衛星のように機能する人工知能(AI)モデルであり、地球全体の陸地と沿岸海域を正確かつ効率的に把握できる機能があります。この機能は地球規模の地図作成を可能にして、食料安全保障、森林破壊、都市拡大、水資源といった重要な問題に対処するための重要な役割を担っていくと考えられます。AlphaEarth FoundationsはAIを活用することで、光学衛星画像、レーダー、3Dレーザーマッピング、気候シミュレーションなど、数十もの公開情報源から得られる膨大な情報を統合することが可能になっています。また、これらの膨大なデータをコンパクトに要約することが可能になっており、AIシステムが生成したものと比べて、必要なストレージ容量が16分の1に抑えられているとのデータも出ています。そして、エラー率はテストした他のモデルよりも24%低く、優れた学習効率を実証しています。

AlphaEarth Foundationsの利用

AlphaEarth Foundationsは発表と同時にすでにカスタムマップの作成に活用されていることも発表されています。AlphaEarth Foundations の支援を受けて構築されたGoogle Earth Engine の衛星埋め込みデータセット*¹として以下のような組織の活動に利用されているとGoogleは報告しています。
*¹AIによって、衛星画像や地球観測データ(例:地形・土地利用・植生・気候など)などの意味や特徴を数値ベクトル化(埋め込み:embedding)したデータセットのこと。

  •  Food and Agriculture Organization( FAO)
  • Harvard Forest
  •  Group on Earth Observations(GEO)
  • MapBiomas
  • Oregon State University
  • Spatial Informatics Group
  •  Stanford University

たとえば、「Global Ecosystems Atlas」という、世界の生態系を初めて網羅的に地図化・監視することを目的とした取り組みでは、このデータセットを活用して、これまで分類されていなかった地域を「沿岸の低木地帯」や「超乾燥砂漠」といったカテゴリーに分類する作業を進めています。このような世界初のリソースは、各国が保全地域の優先順位付けを行ったり、生態系の再生活動を最適化したり、生物多様性の損失に立ち向かうための極めて重要な役割を果たすことになると考えられています。

Googleは将来的にはGeminiのような一般推論型LLMエージェントと組み合わせることで、さらに有用性が高まると語っています。

AIを活用した地球観測のモデルをご紹介しました。日常的に私たちが利用できる Google Earth AI のようなものから、
地球全体の状況を把握するために用いられる AlphaEarth Foundations のような大規模モデルまで、AIを活用して多様な取り組みが活発に動いています。Google DeepMindのシニアリサーチエンジニアであるクリストファー・ブラウン氏は、この統合データセットは参入障壁を取り除くことで、この技術が「地球科学の爆発的な発展」につながると前向きに語っています。環境問題や地球の活動に関して、人がより深く理解をするためにこれらの技術がさらに向上していくことが期待されます。

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